一人暮らし、二人暮らし、ミニマムな暮らしを営む大人のための雑貨店。

「ただいま、森。」は、一人暮らし、二人暮らしなどの「小さな暮らし」を大切に営む方向けの雑貨店です。
珈琲店が運営しておりますので、内容はちょっと珈琲寄りです。


1日の疲れを抱えて、今日もこの街の片隅にあるおうちへ帰る。

外で自分らしくいられなくても、家でくらいは自分全開でのびのびして、疲れを癒したいものですね。

さて、今夜は何しよう。週末は何して過ごそう。

その最高な時間のために、こまごまと暮らしを整えましょう。

あなたの「ただいま」が聞こえるその場所が、心地よいものになりますように。

どんな人のお店なの?

福岡県糸島市の森の中で珈琲豆を焙煎しているお店「森とコーヒー。」の妻の方がやっています。
札幌出身、元会社員、夫婦であこがれの南国九州に移住&珈琲店開業しました。

ただいま、森。ってどういう意味?

「森」はあなたの帰る場所を意味しています。
疲れたら、本来の自分に帰って一度休もうというメッセージが店名に込められています。
あなたの帰る場所とは、マンションのお部屋かもしれないし、平家のお家かもしれないし、もしかしたら自宅よりもキャンプで訪れる自然の中の方が「帰ってきた」と思うひともいるかもしれません。私は森の方に住んでいますし、自然に触れると心落ち着くので「森」という言葉を店名に入れました。
帰る場所はそういった物理的な場所のことも指していますが、精神的にも本当の自分に戻ろうという意味も込められています。好きなものに触れることは自分に触れることです。自分の「好き」を全開にして、時には自分を癒してあげてほしい。そんな願いも込めています。

どんな人が利用しているの?

利用者さんAの世界 <30歳、会社員、女性、一人暮らし>


人波あふれる街の中で、心情すり減る会社の中で、自分押し殺す人間関係の中で、一日過ごした今日のわたし。

ヒールをコツコツ鳴らして電車に乗って、うちに帰ろう。この街の片隅にあるお気に入りを詰め込んだわたしだけの部屋へ。

ドアを閉めれば一人きり。もうここからは私時間。

玄関で目を閉じ頭の中でつぶやく「ただいま、私の部屋。」。

仕事や人間関係は生きていく中で必要だ。だから今日も頑張った。でも悲しい時や苦しい時、私を助けてくれるのはこの部屋だ。好きなものや趣味は私をいつもすくい上げてくれる。悲しみの底や、嫌なことの記憶の渦から。

「結婚しないの?」そんなノンデリカシーな言葉にはもう反応しないって決めた。私は私を一生懸命やることにしたのだ。

利用者さんBの世界 <37歳、夫婦で自営業、女性、夫と二人暮らし>

今日も昨日の続きであって、明日はきっと今日の延長なのだろう。

仕事はやりがいがあるし、夫とは仲が良い。

なんにも問題はないのに、なにか欠けている気がする今のわたし。

そんな薄ら淋しい気持ちになったとき、お気に入りで溢れたわたしのおうちはいつもわたしを慰めてくれる。

そうそう、わたしはこういうものが好きなんだ。こういう暮らしが心地よいんだ。思い出させてくれるのだ。

家に夫がいてもいなくても、わたしはおうちに「ただいま、私のおうち。」と挨拶する。

自分のために買ったキャンドル、夫と楽しむために買った揃いのカップ、その一つ一つがわたしを縁取ってくれる。どんな人なのか思い出させてくれる。

「子供はまだなの?」そんな有難いお言葉は受け流すと決めた。うしろめたい気持ちがなんとなくあるけど、でもそうだよ、どっちだっていいじゃない。まずはわたしが選んだ家族とちゃんと生きていく。

利用者Cさんの世界<35歳、主婦ときどきパート、女性、夫と子供2人の4人暮らし>

今日も気がつけば22時のランドリールーム、洗濯機の前、携帯片手にSNSチェック。しかしもう片方の手は絶え間なく動かしている。なんせ明日も早いのだ。

思えば昨日の今頃も同じことをしていた。そしてきっと明日も・・・。

わたしってなんなんだろう。お母さんだし妻だけど、それ以前のわたしのことは誰か覚えているだろうか。一番怖いのはわたしがそれを忘れかけていることだ。

そんな時は頭の中にある「わたしの部屋」を想像する。一人用のポットとカップ。なみなみ注いだ香りのいい珈琲。お気に入りのキャンドル。壁に貼ったポストカード。実はそれらは家の中にちゃんとある。わたしの部屋と使う機会がないだけで、わたしの味方であるその雑貨たちは食器棚の奥、洗面所の棚の中、サイドボードの引き出しの中に隠れているのだ。それを集結させて一人時間を楽しむと、なぜかちょっと心があたたかくなる。自分を取り戻す。

今日も「お母さん!」の声にわたしは0.1秒で振り向く。でも夜くらい、頭の中くらい、自分を名前で呼ぶって決めた。そして自由になったわたしは頭の中で帰るのだ。ただいま私のお部屋とつぶやいて。